今日もルノアールで

ルノアールで虚空を眺めているときに更新される備忘録

猫に話しかけない

朝はバナナ。在宅勤務が始まった当初は、せっかく時間が浮いたのだからと豪勢な朝食を用意してみたりしたこともあったけど、朝からたくさん食べると消化にエネルギーが持っていかれてしまうのでやめた。ヨーグルトとかシリアルとか、いろいろと試した結果、毎日食べても飽きず、なおかつ日中のパフォーマンスを維持できる存在としてバナナに落ち着いた。なので、今朝もバナナを食べてから活動開始。

歩いて5本ほどのところに借りている自習室へ。ここ1週間格闘している医療人類学の論文を読むために。受験生と思しき子たちと肩を並べながら、電子辞書と文法書片手に論文を黙々と読む。『Forest』ならぬ『Evergreen』片手に読む(版元が代わり名称が変わったらしい)。sicknessとillnessの違いを延々と論じているのだけど、肝心なところで掴みきれない。気付けば1章読むのに2時間ほどかかっていた。ただ、全く苦じゃない。興味のある分野だと単語一つインストールされるだけでもすごく前進した気になれるし、つまづいたときのグリップ力みたいなものが違うと思う。

昼、行きつけの町中華を経由し、マッサージをキメる。1時間ほどしっかりとほぐしてもらう。追加で仮眠オプションあればなあと思いながら、時間なので無理やり身体を起こして帰宅。ポツポツと仕事のメールを返し、夕方までダラダラと過ごす。

夜、Amazonから猫関連本が届く。現代思想の猫特集とか、ネコメンタリーの書籍版とかいろいろ。読んでると、思ったよりも素朴に飼い猫の性格や癖とか考えとかを代弁しているように見えるテキストが目につき、ほとんど猫に話しかけもしない自分は冷たい人間なのではないか、という気がしてくる。自分の場合は猫が喉をグルグル鳴らしていても、別にご機嫌だとは限らないと思ってしまうし、そもそも猫が何を考えてるか自体、あんまり興味がない。YouTubeとかであまりにあけすけに「お腹減ったにゃあ」「ご主人さまおかえりなさい」みたいなテロップの付いた映像を見ると、どこからその自信はわいてくるのか、と訝しんでしまうぐらいだし、猫は表情で自分の感情を伝えられるみたいな研究もあるみたいだけど、けっきょくどこまでいっても人間の視点から分類した感情じゃないか、と思ってしまう。今のところ、何を考えているのか分からないぐらいの距離感でちょうどいい。もっと一緒にいる時間が長くなれば変わっていくのかな。