今日もルノアールで

ルノアールで虚空を眺めているときに更新される備忘録

街の記憶

そういえば今年も確定申告に行ってきた。昨年は、ずぼらのくせに一人でやろうとして、三日三晩かかった。今年は同じ轍を踏まないためにも、サクッとたたき台を作り、税務署にGO。結果、一日で終わった。人に頼るって大事だ。

帰り道、上野税務署裏の路地に入ると、すさまじい数の室外機が。

病院食

なぜか、香港を思い出した。いわゆる100万ドルの夜景とか、『恋する惑星』でお馴染みの重慶マンションとか、夜市で道路いっぱいに広がる屋台とか、香港にはアイコニックな風景がたくさんあるわけだけど、自分にとっての香港というのはどうやら「室外機」らしい。

数年前、香港には撮影の仕事で行ったのだが、街中を走り回っていると、上空からボッタボタ水滴が落ちてきた。「ん、雨かな?」と見上げると、そこにはマンションから突き出した大量の室外機が設置されており、その“生活がむき出し”になっている様が強く印象に残った。


出典:HON KONG vision

そういえば、その前に行ったニューヨークで言うと、真っ先に思い出されるのは「臭い」だ。

飲食店の裏手や街のゴミ捨て場には真っ昼間でも大量の生ゴミが積み上がっていて、日本じゃお目にかかれないどでかいネズミがわっさわっさ群がっている。初日に見たゲロの塊は1週間後もまだあったし、水たまりには明らかにただの水じゃない液体が流れ込んでいて、強烈な腐敗臭を放っていた。


出典:Flickr CC/Garry Knight

香港以上にニューヨークなんてアイコンだらけの街だ。それでも、なぜかふとしたときに思い出すのは、こんなことだったりするから、人の記憶というのはおもしろい。