今日もルノアールで

ルノアールで虚空を眺めているときに更新される備忘録

世界で最も尊いクリスマス

まさか病院でクリスマスを迎えることになるとは思わなかった。特別予定が入っていたわけでもなく(残念ながら)、病院にいると日付も曜日感覚もなくなるから、特に意識することもなく当日になった。そうしたら、夕食に「ザ・クリスマス」の特大チキンが出た。ようく見ると、「X'mas」と書かれた用紙も付けられている。

病院食

世界で最も心のこもったクリスマスだと思った。病院の調理師の方々は、患者の健康を管理することが仕事だ。言ってしまえば、キチンと栄養バランスの取れた食事さえ提供していれば、マイナス評価を受けることはない。患者たちの間で「美味しくない」と評判が立ったとしても、よっぽどの美食家でない限り、食事内容で病院を選ぶわけじゃないから、特別問題にはならない。手を抜こうと思えば、いくらでも手を抜けてしまう仕事なんだと思う(以前骨折で入院した病院では週2でがんもどき3つと白米のみの日があり、怒りに打ちひしがれていた)。

それなのに、この病院の調理師の方々はクリスマスにチキンを出してくれた。期待していなかったぶん、喜びも大きかった。おいしかった。損得勘定を抜きにしたところにしか、素晴らしい仕事は生まれない。ああ、早く退院して、素晴らしい仕事がしたい。